2011/06/05

ポリリズム・ソウル・パワー


おそらく40代であろうジェームス・ブラウンの、オフの落ち着いた、冷静なたたずまいはただごとではない。まさにここから「クール」という語が生まれたのではないかと思うほどだ。
そして声が非常にイイ。いつもシャウトしかしていない印象だがww、あらためてしゃべり声を聞いていると抜群にイイ。

若いモハメド・アリが出ていたり、「Good Times」「Thinking Of You」(!)などダンスクラシックで有名なシスター・スレッジが、ダイナマイツボディたちが文字通り爆発しそうなはちきれんばかりの姉妹たちの身体が動くさまを眺めたり、セリア・クルースがキューバ人特有といっていいであろう硬質の金属的だが官能的なほど柔らかいあの声で歌っているのを見ると感動する。

ヒップ・ホップやハウスが誕生し、その声ネタやビートの元ネタとなったこれらの人々は、やはりパワーあふれているのだなあと感嘆する。
だが同時にこの映画から不満が出てくる。音楽に新しさがないではないか。
30年前のもので古いのだからしようがないということではない。彼らの音楽の快楽成分はすでにサンプリングや打ち込みとしてとりこまれ、なかば日常化しつつある。そこから新しいものが出てきていないのではないかという、現在の停滞感に関する不満なのだ。

と思っているとタブー・レイ・ロシュロー&アフリザ・アンテルナシオナルなるグループが現れる。
このグループに関する知識はない。(アフリカやラテンの)ポリリズムはクラブ最先端でもあるためついていけないということはない。
「タブー・レイ・ロシュロー」、の方じゃなくて「アフリザ・アンテルナシオナル」じゃなくて、ただの女性ダンサー2人なのかもしれんが、この2人の踊りとその衣装からくる印象はとにかくすばらしい。

たとえばクラブで上手に踊っている女だって和洋を問わず非常に美しいと思うし、シスター・スレッジだってすばらしいが、そんなことよりあの女性ダンサー2人をずっと見ていたい。
よろこびに溢れたセクシーなダンスクイーン。言葉じゃなにも伝わらない。

21世紀の日本人はポリリズムで幕を開け、身体の世紀として生きていく。
停滞感はふきとばずにはいられない。

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