2005/03/20

内容が時間 -青山真治・映画『ユリイカ』-


これほどまでに他人に説明しづらい映画があっただろうか?
ストーリーのことではない。ストーリーはむずかしくない。

説明しづらいとは、映画の魅力を話してその映画に興味をもってもらうことなのだが、このユリイカはどの点を強調してもそれだけでは不充分なのだ。
独特のセピア調の映像の魅力を説明するのはむずかしい。世界中でもこの映画しかないと思う。もちろん美しい。ある意味映像がこの映画の中核だと言えなくもない。といってもそれだけの映画ではないのだよ、コレは。
ヨーロッパ映画的であるがそれ以上で、サスペンスだがそれ以上で、日本映画だがそれ以上で、ハリウッド的とも言えて……。すべてゴッタ煮のすごい映画、ではない。ゴッタ煮というイメージからはほど遠い。もっとスマートだ。

上映時間は3時間40分ある。といって敬遠してはいけない。3時間40分だからこそ体験してほしい。
様々な魅力が絡みあって内容が時間を感じさせないのだ。スピード溢れる展開とかそういうことでもない。むしろゆったりとしているのだが……それにもかかわらず、3時間強の映画で、途中で退屈しない映画などこれまであっただろうか?




追記:2009/08/26
ここで宮崎あおいはデビューしたのかな?中学生だろうけど、ここまで国民的女優になるとはなあ。
いや、この映画で見せるハンパない意志の強さがあったからこそなのかもしれんね。現在の可愛らしさの芯にこれがある。

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